自動化設備を導入する際、「リースと購入、どちらが得なのか?」と悩む企業は多いでしょう。
初期費用を抑えるためにリースを選ぶべきか、長期的なコストを考えて購入するべきか、それぞれにメリット・デメリットがあります。
本記事では、自動化設備のリースと購入のコスト比較について、初心者向けに分かりやすく解説します。
設備導入を検討している企業の皆様が、最適な選択をできるように、判断基準も紹介します。
1. リースと購入の基本的な違い
リースとは?
リースとは、設備をレンタルし、月々の料金を支払う方式です。
契約期間が終了すると、設備を返却するか、更新契約を結ぶことになります。
- 契約期間:一般的に5~7年
- 月々の支払い:リース料にメンテナンス費が含まれる場合も
- 契約終了後:返却 or 再リース or 購入(オプション契約次第)
購入とは?
購入は、初期費用を支払って設備を自社の資産として所有する方法です。
- 支払い方法:一括 or 分割(ローン)
- 減価償却:資産として計上し、毎年一定額を費用として計上
- 売却:将来的に不要になれば売却可能
2. コスト比較(リース vs 購入)
① 初期費用の違い
項目 | リース | 購入 |
---|---|---|
初期費用 | ほぼゼロ(初回リース料のみ) | 高額(一括 or ローン支払い) |
月々の支払い | あり(契約期間中) | なし(ローンの場合は返済あり) |
✅ リースの方が、初期費用を抑えられるため、資金が少ない企業には有利。
② 月々の支払い
項目 | リース | 購入 |
---|---|---|
月々のコスト | リース料が発生 | なし(ローンの場合は返済あり) |
メンテナンス費 | 含まれることが多い | 自社負担 |
✅ リースは毎月一定額の支払いが必要だが、購入なら支払いが完了すればコストゼロ。
③ メンテナンス費用
項目 | リース | 購入 |
---|---|---|
修理・点検費用 | リース契約に含まれる場合が多い | 自社負担 |
交換部品費用 | リース会社負担(契約次第) | すべて自己負担 |
✅ リースの方がメンテナンス費がかからないことが多い。
④ 税制メリット
項目 | リース | 購入 |
---|---|---|
経費計上 | 毎月のリース料を全額経費計上可能 | 減価償却で徐々に経費計上 |
✅ リースの方が節税メリットが大きいが、購入は長期的に見れば資産価値が残る。
⑤ 設備の陳腐化
項目 | リース | 購入 |
---|---|---|
新技術対応 | 契約終了後に新しい設備に切り替え可能 | 一度購入すると長期間使用する必要あり |
売却の手間 | 必要なし(返却のみ) | 不要になったら売却可能 |
✅ リースは最新機器に入れ替えやすいが、購入は長く使うことでコストを回収できる。
3. どちらを選ぶべきか?判断基準
リースが向いているケース
✅ 初期投資を抑えたい企業
- 新規事業や工場の立ち上げ時で、資金が限られている場合
✅ メンテナンスの手間を減らしたい企業
- 機械の保守や修理の管理をリース会社に任せたい場合
✅ 最新技術を定期的に導入したい企業
- 3~5年ごとに新しい設備に入れ替えたい場合
✅ 節税を重視する企業
- 毎月のリース料を経費計上し、法人税を抑えたい場合
購入が向いているケース
✅ 長期的にコストを抑えたい企業
- 長期間(7年以上)使う予定なら、購入の方が総コストが安くなる
✅ 設備を資産として保有したい企業
- 減価償却を活用し、資産計上したい場合
✅ 設備のカスタマイズが必要な企業
- リース設備では改造が制限されるため、独自のカスタマイズをしたい場合
✅ 中古市場で売却の選択肢を持ちたい企業
- 将来的に設備を売却する可能性がある場合
4. ケース別シミュレーション
例1:初期投資を抑えたい場合(リース)
- 設備価格:1,000万円
- リース契約(5年):月額18万円(年間216万円)
- 総支払額:1,080万円(5年間)
→ 初期費用なしで導入できるが、5年間の総コストは1,080万円
例2:長期的に運用する場合(購入)
- 設備価格:1,000万円(5年で減価償却)
- メンテナンス費用:年間30万円
- 5年後の売却価格:200万円
→ トータルコスト:1,000万円+150万円(メンテ費)-200万円(売却)=950万円
✅ 7年以上使うなら購入の方が安くなる
まとめ
選択肢 | メリット | デメリット |
---|---|---|
リース | 初期費用を抑えられる、メンテナンス不要、最新機器に更新可能 | 総支払額が高くなりがち |
購入 | 長期的なコストが安い、資産として計上できる、売却可能 | 初期費用が高い、メンテナンス費用がかかる |
結論
✅ 短期間(5年以内)で設備を更新したいなら「リース」
✅ 長期間(7年以上)使うなら「購入」がお得
企業の資金状況・設備の利用期間・メンテナンスの負担を考慮し、適切な選択をしましょう。
導入前に、シミュレーションを行い、コストの違いを比較することが大切です!